退職代行を利用しても、源泉徴収票は原則として勤務先から本人に交付されます。退職代行業者が自動的に受け取ってくれるわけではないため、勤務先に送付先を伝え、退職後1か月以内を目安に届くか確認しましょう。
勤務先から届かない場合は、まず会社へ交付を依頼します。それでも発行されないときは、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する方法があります。
退職代行を使った場合も源泉徴収票は勤務先が発行する
退職代行を利用したかどうかにかかわらず、源泉徴収票を発行する義務があるのは、給与を支払った勤務先です。退職代行業者を通したからといって、源泉徴収票が発行されなくなったり、受け取り時期が特別に変わったりするわけではありません。
退職代行業者が会社との連絡を取り次いでくれる場合でも、実際の発行元は勤務先です。退職代行の契約内容によっては、源泉徴収票の受け取りや再発行の依頼まで対応しないこともあります。
源泉徴収票はいつ届く?
年の途中で退職した人の源泉徴収票は、原則として退職日から1か月以内に交付されます。これは退職代行を利用した場合にも同じです。
たとえば、3月31日に退職した場合は、4月30日ごろまでが交付時期の目安です。退職日から1か月を過ぎても届かない場合は、会社へ発行状況を確認しましょう。
なお、源泉徴収票の交付時期は「最後の給与が振り込まれる日」と必ず一致するわけではありません。給与の締め日や退職後の精算によって、給与の支払いと源泉徴収票の到着時期が前後することがあります。
退職後に源泉徴収票を受け取る方法
まず、退職代行業者や勤務先に登録している住所が現在の住所になっているか確認します。退職後に引っ越した場合や、会社に住民票とは異なる住所を伝えている場合は、送付先を明確に伝えてください。
- 退職日と、源泉徴収票が必要であることを確認する。
- 勤務先に、現在の住所や送付先を伝える。
- 退職日から1か月を過ぎても届かなければ、勤務先へ発行状況を問い合わせる。
- 発行済みなのに届かない場合は、再送付または再発行を依頼する。
退職代行業者に依頼する場合は、「源泉徴収票の発行依頼や受け取りの連絡まで対応する契約か」を確認してください。対応範囲に含まれない場合は、本人から勤務先へ連絡する必要があります。
会社に依頼するときの伝え方
会社へ連絡するときは、退職代行を利用した経緯を詳しく説明する必要はありません。本人確認ができる情報と、源泉徴収票の送付先を明確に伝えれば足ります。
たとえば、次のように依頼できます。
「〇年〇月〇日に退職した〇〇です。退職後の源泉徴収票がまだ届いていないため、発行状況をご確認ください。送付先は〒〇〇〇-〇〇〇〇、〇〇県〇〇市〇〇です。未発行の場合は、源泉徴収票を発行して送付してください。」
電話だけでなく、メールや書面など記録が残る方法で依頼すると、依頼日や会社の回答を後から確認しやすくなります。
源泉徴収票が届かないときの対応
まず勤務先に発行を依頼する
退職日から1か月を過ぎても届かない場合は、勤務先の人事・総務担当者などへ発行を依頼します。すでに発送したと言われた場合は、発送日、送付先、再送付の可否を確認してください。
会社が源泉徴収票を紛失した場合も、再発行を依頼できます。再発行の依頼先は、原則として給与を支払った勤務先です。
会社が対応しない場合は税務署へ相談する
勤務先に依頼しても発行されない場合は、住所地を管轄する税務署へ相談できます。税務署へは、勤務先が源泉徴収票を交付しないことを届け出る「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する方法があります。
提出の際には、勤務先の名称・所在地、退職日、給与の支払を受けた期間、会社へ交付を依頼した日や方法などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。届出書の提出方法や必要書類は、管轄税務署へ事前に確認してください。
「会社から届かない」ことと「会社が存在しない」ことは同じではありません。会社と連絡が取れない場合でも、確認できた連絡履歴や給与明細などを保管し、税務署へ相談しましょう。
転職先の年末調整に間に合わない場合
退職した年のうちに転職した場合、通常は転職先で前職分を含めて年末調整を行います。その際、前職の源泉徴収票の提出を求められることがあります。
源泉徴収票がまだ届いていないときは、転職先に事情を伝え、前職へ交付を依頼していることを説明してください。転職先が前職分を確認できない場合、前職の給与を含めた年末調整ができないことがあります。
年末調整を受けられなかった場合は、源泉徴収票など必要な書類がそろった時点で、本人が確定申告をして所得税を精算することになります。提出期限や必要書類は、税務署または国税庁の案内で確認してください。
退職代行利用後に確認するポイント
- 退職日がいつになっているか
- 勤務先に登録されている住所が正しいか
- 源泉徴収票の発行・送付を退職代行業者が代行する契約か
- 退職日から1か月が経過しているか
- 会社へ依頼した日、方法、回答内容を記録しているか
- 転職先の年末調整に提出する必要があるか
退職代行を利用した後でも、源泉徴収票の受け取り先は基本的に本人です。まずは勤務先に送付先を伝え、退職日から1か月以内に届くか確認してください。届かない場合は勤務先へ発行を依頼し、対応がなければ税務署への相談を進めます。







