退職代行を利用した後に給料が未払いなら、まず給料の支払日と未払い額を確認し、勤務先へ書面で支払いを請求します。退職代行業者が勤務先に請求や交渉までできるかは、業者の種類によって異なります。本人に代わって金額交渉や支払い請求を行えるのは、原則として弁護士または労働組合など、適法に交渉できる立場の事業者です。
退職代行後に給料が未払いのときの対応手順
次の順番で、未払いの事実と請求した記録を残しながら対応します。
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未払いの金額と支払日を確認する
雇用契約書、就業規則、給与明細、勤務記録、銀行口座の入出金履歴を確認します。通常の給料日がまだ来ていない場合は、直ちに未払いとは判断できません。
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退職代行業者に、勤務先へ何を伝えたか確認する
退職日、最終出勤日、給与の支払日、会社からの回答内容を確認します。退職代行業者に給与の請求を依頼していた場合は、依頼の範囲と、会社へ実際に伝えた内容が分かる記録を取得しておきます。
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勤務先へ未払い給与を請求する
会社の給与担当者や人事担当者に、メールや書面で請求します。請求内容には、対象期間、未払い額、支払期限、振込先、回答を求める事項を記載します。
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支払われない場合は公的機関や専門家へ相談する
賃金の未払いに関する相談先は、労働基準監督署、都道府県労働局の相談窓口、弁護士などです。請求額や証拠、会社とのやり取りを整理してから相談すると、状況を説明しやすくなります。
退職した場合の給料はいつ支払われるのか
原則は、会社が定めた給与支払日に支払われます。ただし、退職した労働者が給料の支払いを請求した場合、会社は、賃金などの権利に関する金品を請求を受けた日から7日以内に支払う必要があるとされています。退職金や会社から返還を受ける金品については、別の支払条件が定められていることがあります。
この規定は、退職しただけで自動的に退職日から7日以内に全額が振り込まれるという意味ではありません。まず会社に支払いを請求した事実が必要で、給与の締め日や計算が必要な項目がある場合には、実際の支払額や支払方法を会社に確認します。
賃金の支払いに関する基本的な規定は、労働基準法で確認できます。
勤務先への請求に記載する内容
請求では、感情的な説明よりも、対象期間と金額を具体的に示すことが重要です。次の項目を記載してください。
- 氏名、在籍していた部署や雇用区分
- 退職日
- 未払いの対象となる勤務期間
- 未払いの給与額
- 未払いと考える根拠となる給与明細や勤務記録
- 支払期限
- 振込先口座
- 会社からの回答を求める期限
請求書を送る場合は、配達記録が残る方法を利用します。メールで送る場合も、送信日時、本文、添付資料、会社からの返信を保存してください。
請求文の例
「〇年〇月分の給与〇円が、支払日を過ぎても支払われていません。給与明細および勤務記録を添付します。〇年〇月〇日までに、下記口座へお支払いください。支払いが難しい場合は、同日までに未払いの理由と支払予定日を書面で回答してください。」
金額に争いがある場合は、全額を一方的に断定するのではなく、「自分が計算した未払い額」と「計算の根拠」を示します。会社から控除や欠勤、勤務時間の認識が異なると説明された場合は、給与明細やタイムカードなどと照合してください。
退職代行業者に給料の請求を任せられるか
退職代行業者が退職の意思を伝えるだけでなく、未払い給与の金額交渉や支払条件の交渉をできるかは、業者の資格や運営主体によって異なります。
| 依頼先 | 一般にできること | 確認が必要なこと |
|---|---|---|
| 一般の退職代行業者 | 退職の意思や連絡事項を本人に代わって伝えること | 未払い給与の金額交渉や支払い合意まで扱えるか |
| 労働組合が運営する退職代行 | 組合員の立場で会社と団体交渉を行うこと | 組合への加入条件、対応範囲、追加費用 |
| 弁護士 | 未払い給与の請求、会社との交渉、必要に応じた法的手続き | 相談料、着手金、成功報酬などの費用 |
弁護士資格のない者が、報酬を得る目的で法律事件について代理や和解などの法律事務を扱うことには制限があります。そのため、一般の退職代行業者に「未払い給与を〇円払うよう会社と交渉してほしい」と依頼する前に、交渉を担当する主体と対応範囲を確認してください。
給料が支払われないときの相談先
労働基準監督署
最低賃金違反、賃金の未払い、法定労働時間を超えた割増賃金の未払いなど、労働基準法に関係する疑いがある場合は、勤務先を管轄する労働基準監督署に相談できます。
相談時には、雇用契約書、給与明細、タイムカードやシフト表、銀行口座の記録、会社への請求書、退職代行業者とのやり取りを持参または提示できるようにします。労働基準監督署が必ず回収してくれるとは限らず、証拠や事実関係を確認したうえで対応が判断されます。
都道府県労働局の相談窓口
会社との話し合いを進めたい場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどを利用できる場合があります。相談や制度の案内は受けられますが、会社に未払い額を強制的に支払わせる制度とは限りません。
弁護士
未払い額が大きい、会社が支払いを拒否している、退職代行業者との契約内容にも問題がある、または会社から損害賠償を請求されている場合は、弁護士への相談が向いています。内容証明郵便による請求、会社との交渉、労働審判や訴訟などの手続きを状況に応じて検討できます。
給料の未払いを相談するときに必要な証拠
未払い給与の請求では、「働いたこと」「支払われる金額」「支払日」「実際に入金されていないこと」を示す資料が役立ちます。
- 雇用契約書、労働条件通知書
- 給与明細、源泉徴収票
- タイムカード、勤怠アプリ、シフト表
- 業務上のメールやチャット
- 銀行口座の入出金履歴
- 退職日や給与支払いについての会社とのやり取り
- 退職代行業者との契約書、決済記録、メッセージ
会社のシステムに入れなくなる可能性があるため、退職前後に自分が適法に保管できる資料を保存しておきます。会社の機密情報や他人の個人情報まで持ち出さないよう注意してください。
未払い給与の請求で注意したいこと
未払い給与の請求には時効があります。賃金請求権の期間は、賃金の支払期日などによって扱いが異なるため、長期間放置せず、早めに相談してください。退職代行を利用したこと自体で、給与を受け取る権利がなくなるわけではありません。
また、会社が「退職代行を使ったから給料を払わない」「引き継ぎをしなかったから給与を全額払わない」と説明しても、会社が一方的に給料全額を支払わなくてよいことになるとは限りません。欠勤、損害、貸付金、社会保険料などの控除が関係する場合は、控除の内容と根拠を確認してください。
会社から違約金や損害賠償の請求を受けた場合は、未払い給与との相殺をすぐに認めたり、内容を確認せず書面に署名したりせず、弁護士や公的な相談窓口に相談します。
退職代行後に給料が未払いの場合のまとめ
最初に、給与明細と銀行口座を確認して未払い額を計算し、勤務先へ対象期間・金額・支払期限を明記して請求してください。退職代行業者には、会社へ伝えた内容と、給与請求や交渉が契約範囲に含まれるかを確認します。
会社が支払わない場合は、証拠をそろえて労働基準監督署や都道府県労働局へ相談し、金額や争いの内容によっては弁護士への依頼を検討します。







