退職代行を利用して夜勤の仕事を退職できる?

退職代行を利用して夜勤の仕事を退職できる?

退職代行を利用すれば、夜勤の仕事も退職できます。夜勤だから退職代行が使えないという決まりはありません。ただし、退職日までに予定されている夜勤をどう扱うか、雇用期間の定めがあるか、退職代行業者がどこまで交渉できるかによって対応が変わります。

夜勤でも退職代行を利用できる

退職代行は、本人に代わって勤務先へ退職の意思を伝えるサービスです。昼勤か夜勤か、正社員かアルバイトかにかかわらず、退職の意思を伝えること自体はできます。

夜勤の場合は、連絡する時間帯や勤務直前の対応が問題になりやすいため、申し込み時に次の情報を伝えてください。

  • 次の夜勤の開始日時
  • 夜勤中か、夜勤前か、すでに欠勤しているか
  • 退職希望日
  • 有給休暇の残日数
  • 勤務先から借りている制服、鍵、カードなど
  • 会社に返却が必要な物品や、受け取りたい私物

特に、数時間後に夜勤が始まる場合は、退職代行へ早めに相談することが重要です。連絡が間に合うとは限らないため、申し込んだだけでその日の夜勤が自動的に休みになるとは考えないでください。

夜勤を休んでそのまま退職できる?

退職代行に依頼しただけで、予定されていた夜勤の欠勤が正当化されるわけではありません。退職日まで雇用契約が続いている場合、勤務予定日の出勤義務も原則として残ります。

ただし、次のような方法で夜勤の勤務を避けられる可能性があります。

  • 勤務先と合意して、退職日を当日または早い日にする
  • 残っている有給休暇を退職日まで取得する
  • 会社に欠勤や休職などの扱いを認めてもらう
  • やむを得ない事情があり、法律上の退職要件を満たしている

有給休暇を使えるか、当日の夜勤を休めるかは、雇用契約や勤務先との調整によって決まります。退職代行に依頼する際は、「次の夜勤に出たくない」と伝えるだけでなく、次の夜勤の日時と、有給休暇を使いたい希望を具体的に伝えましょう。

退職日までの期間は雇用形態で変わる

退職代行を使っても、退職日や退職の手続きが不要になるわけではありません。期間の定めがない雇用契約か、契約期間が決まっている有期雇用契約かで、基本的な扱いが異なります。

雇用契約 退職の基本的な考え方
期間の定めがない契約 法律上は、退職の意思表示から一定期間が経過すると退職となるのが基本です。就業規則に退職の申し出時期が定められている場合もあります。
期間の定めがある契約 契約期間の途中で辞めるには、原則として契約内容ややむを得ない事情の確認が必要です。

正社員などの期間の定めがない契約では、民法上、退職の意思表示から2週間で退職できるとされるのが基本です。ただし、月給制などでは扱いが異なる場合があり、就業規則や契約内容も確認が必要です。

一方、契約社員や一部のアルバイトなど、契約期間が決まっている場合は、契約満了前の退職を自由に決められるとは限りません。契約書に記載された期間と、契約途中で退職できる条件を確認してください。

夜勤の退職で退職代行に依頼できる内容

退職代行に依頼できる範囲は、業者の種類によって異なります。単に本人の退職意思を伝えるだけの業者と、勤務先との交渉まで対応できる業者は同じではありません。

依頼先 一般的にできること 注意点
一般企業の退職代行 本人の退職意思や連絡事項を勤務先へ伝える 退職日の交渉、未払い賃金の請求など、法律上の交渉はできない場合がある
労働組合が運営する退職代行 退職意思の伝達に加え、一定の範囲で勤務先と交渉する 組合への加入や利用条件、対応範囲を確認する必要がある
弁護士 退職に関する交渉や、未払い賃金などの請求を行う 費用や対応範囲は法律事務所ごとに異なる

たとえば、「今日の夜勤を有給休暇にしたい」「退職日を前倒ししたい」「夜勤手当や未払い賃金を請求したい」といった内容は、勤務先との交渉が必要になる可能性があります。

一般企業の退職代行は、本人に代わって退職の意思を伝えることはできますが、報酬を得て法律上の交渉や請求を行うことはできません。交渉が必要になりそうな場合は、労働組合または弁護士が運営するサービスを選んでください。

退職代行を使う前に確認すること

夜勤の退職をスムーズに進めるには、次の情報を手元にそろえてから相談すると判断しやすくなります。

  1. 雇用契約を確認する。契約期間、退職の申し出時期、夜勤手当、試用期間などを確認します。
  2. 次の勤務予定を確認する。夜勤の開始日時、勤務場所、引き継ぎが必要な業務を整理します。
  3. 有給休暇の残日数を確認する。給与明細や勤怠システムで確認し、退職日まで使いたい日数を決めます。
  4. 未払いの賃金や手当を整理する。夜勤手当、残業代、休日勤務分など、支払われていない可能性があるものを記録します。
  5. 貸与品と私物を整理する。制服、社員証、鍵、端末などの返却方法と、職場に残した私物の受け取り方法を決めます。
  6. 代行業者の交渉範囲を確認する。退職の意思を伝えるだけなのか、退職日や有給休暇について交渉できるのかを確認します。

勤務先からの連絡を止められるかどうか、会社から本人へ連絡が来ないことを保証できるかどうかも、業者によって異なります。依頼前に、対応範囲と追加料金の有無を確認してください。

夜勤の退職で注意したいケース

無断欠勤の状態になっている

すでに夜勤を無断欠勤している場合でも、退職代行への相談はできます。ただし、無断欠勤による扱いや賃金、懲戒の問題まで解決するとは限りません。

勤務先から届いた連絡や書面を無視せず、退職代行へ内容を共有してください。損害賠償を請求された、懲戒処分を通知されたなどの事情がある場合は、弁護士への相談が必要になることがあります。

患者や利用者の対応を任されている

介護、看護、警備、宿泊など、夜勤中に利用者や設備の安全を任されている仕事では、突然の欠勤によって勤務先が代替要員を探す必要があります。だからといって、退職できなくなるわけではありませんが、引き継ぎや貸与品の返却方法を整理して伝えることが大切です。

退職代行を利用しても、業務上の責任や事故の有無まで自動的に処理されるわけではありません。事故やトラブルが起きている場合は、通常の退職手続きとは分けて対応してください。

夜勤手当や残業代が支払われていない

夜勤手当、深夜労働に対する割増賃金、時間外労働の賃金が未払いになっている場合、退職とは別に賃金請求の問題があります。給与明細、勤務表、タイムカード、シフト表、勤務先とのメッセージなどを保存しておきましょう。

未払い賃金の請求を希望する場合は、退職代行が交渉に対応できるかを確認してください。対応できない業者に依頼した後で、別途弁護士へ相談することになる場合もあります。

夜勤の退職で最初にすること

最初に、雇用契約書または労働条件通知書と、次の夜勤の日時を確認してください。そのうえで、退職希望日、有給休暇の残日数、未払いの賃金、会社からの貸与品を整理し、退職代行へ「次の夜勤をどう扱いたいか」まで具体的に伝えます。

夜勤でも退職代行は利用できますが、依頼した時点で勤務が自動的に免除されるわけではありません。退職日の前倒しや有給休暇の取得、未払い賃金の請求など、勤務先との交渉が必要な場合は、対応できる運営元を選ぶことが重要です。