退職代行で夜勤を辞めたいときはどうすればいい?

退職代行で夜勤を辞めたいときはどうすればいい?

夜勤でも退職代行は利用できます。ただし、退職代行を依頼しただけで必ずその日から夜勤に行かなくてよいとは限りません。無期雇用か有期雇用か、残っている有給休暇、退職代行業者が会社と交渉できる資格を持っているかによって対応が変わります。

夜勤を辞めたいときに退職代行を使う流れ

基本的には、退職代行へ相談し、勤務先への連絡日と退職希望日、夜勤に出られない事情を伝えます。その後、退職代行が本人に代わって勤務先へ退職の意思を伝えます。

  1. 雇用契約と勤務状況を確認する
    無期雇用か有期雇用か、次の夜勤がいつか、残っている有給休暇が何日あるかを確認します。
  2. 退職代行に夜勤の予定を伝える
    次の勤務日時、夜勤を続けられない理由、連絡してほしくない時間帯、会社からの連絡を受けられるかを具体的に伝えます。
  3. 退職希望日と有給休暇の扱いを決める
    退職日まで有給休暇を使うのか、欠勤として扱う可能性があるのかを確認します。
  4. 会社の貸与品や書類の返却方法を決める
    制服、社員証、鍵、端末などを、郵送するのか、代理人を通じて返すのか決めます。
  5. 退職後に必要な書類を受け取る
    離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証など、必要な書類の送付方法を確認します。

次の夜勤が迫っている場合は、依頼時に「〇月〇日の夜勤が入っているが出勤できない」と明確に伝えてください。夜勤は日中の勤務よりも会社との連絡がつきにくいことがあるため、連絡する日時や緊急時の対応も事前に決めておくと混乱を減らせます。

夜勤に行かずに退職できるかは雇用契約で変わる

無期雇用であれば、法律上は退職の意思表示から2週間が経過すると退職できるのが原則です。民法627条は、期間の定めのない雇用について、解約の申入れから2週間で終了すると定めています。

ただし、退職日までの期間に夜勤が残っている場合、その期間をどのように扱うかは別の問題です。有給休暇を使える場合や、会社との合意によって出勤しない扱いにできる場合はありますが、退職代行を使っただけで当然に勤務義務が消えるわけではありません。

一方、契約社員やパートなどの有期雇用は、契約期間の途中で自由に退職できるとは限りません。やむを得ない事由がある場合を除き、原則として契約期間の満了まで契約が続くことがあるため、雇用契約書の確認が必要です。民法628条にも、有期雇用の途中で解除できる場合について定めがあります。

雇用契約の期間や退職のルールは、民法のほか、雇用契約書や就業規則の内容も関係します。

「即日退職」と「その日から夜勤に行かない」は同じではない

退職代行でいう「即日退職」は、依頼した当日に雇用契約が終了するという意味ではなく、会社への連絡後に本人が出勤や連絡をせずに済むよう調整する意味で使われることがあります。

無期雇用で退職の効力が発生するまで2週間ある場合でも、その期間に残った有給休暇を充てられれば、実際に夜勤へ出勤しない形にできる可能性があります。ただし、有給休暇の日数や取得状況、会社との調整によって結果は変わります。

「今日から夜勤に行きたくない」という希望と、「今日付で退職したい」という希望は分けて伝えましょう。退職代行には、希望する退職日だけでなく、次の夜勤に出られないことも具体的に伝える必要があります。

退職代行は運営者によってできることが違う

退職代行には、弁護士が対応するもの、労働組合が運営するもの、一般企業が運営するものがあります。料金だけでなく、会社との交渉が必要になりそうかで選ぶことが重要です。

運営者 主にできること 向いているケース
弁護士 退職の意思表示、会社との交渉、未払い賃金や損害賠償などの法律問題への対応 会社と交渉したい、未払いの夜勤手当がある、損害賠償を請求される不安がある
労働組合 退職に関する団体交渉 有給休暇や退職日などについて会社との交渉が必要なケース
一般企業 本人に代わって退職の意思を伝えること 交渉を求めず、意思表示の連絡だけを任せたいケース

一般企業の退職代行は、本人に代わって退職の意思を伝えることはできますが、会社に条件を付けたり、未払い賃金の支払いを求めたりする交渉はできません。交渉が必要になった場合は、弁護士や団体交渉を行える労働組合のサービスを検討してください。

夜勤を辞める前に確認すること

次の夜勤の日時

勤務表やシフト表を確認し、次の夜勤の開始時刻、夜勤明けの扱い、連続勤務の予定をメモしておきます。退職代行へ伝える情報が具体的になるため、会社との行き違いを防ぎやすくなります。

有給休暇の残日数

有給休暇が残っていれば、退職日までの期間に使える可能性があります。給与明細、勤怠システム、会社から交付された通知などで残日数を確認してください。

有給休暇を使う場合でも、退職日を過ぎて取得することはできません。また、勤務先が有給休暇の取得時期を変更できる場合もあるため、退職日と合わせて退職代行に確認を依頼しましょう。

夜勤手当や未払い賃金

夜勤をした分の賃金や深夜割増賃金が支払われていない場合は、給与明細、タイムカード、勤務表、シフトのスクリーンショットを保存しておきます。

労働基準法では、原則として午後10時から午前5時までの深夜労働に対し、通常の賃金に25%以上の割増賃金を支払う必要があります。時間外労働や休日労働に当たる場合は、別の割増率が関係することがあります。未払い賃金の請求まで考えている場合は、弁護士など交渉できる専門家に相談してください。

会社から借りている物

夜勤用の制服、ロッカーの鍵、入館証、社用スマートフォン、パソコンなどがあれば、返却方法を決めてから退職代行を依頼します。返却しないままにすると、退職手続きとは別に会社とのトラブルになるおそれがあります。

夜勤に行かないまま辞めるときの注意点

連絡なしで夜勤を休むのではなく、退職代行を通じて退職の意思と出勤できない事情を伝えることが大切です。無断欠勤が続くと、就業規則に基づく処分や給与計算上の問題が起きる可能性があります。

もっとも、夜勤に行かなかったからといって、会社が自由に違約金を請求できるわけではありません。実際に損害賠償を請求された、脅すような連絡を受けた、未払い賃金があるといった場合は、一般企業の退職代行だけで解決しようとせず、弁護士へ相談してください。

体調不良や強い不安があり、次の夜勤に出ること自体が難しい場合は、退職手続きとは別に医療機関への相談も検討してください。診断書が退職を自動的に成立させるわけではありませんが、出勤できない事情を説明する資料になることがあります。

夜勤を退職代行で辞めたい人が最初にすること

まず、雇用契約書または労働条件通知書で、無期雇用か有期雇用かを確認してください。次に、勤務表、有給休暇の残日数、未払いの夜勤手当、返却物を整理します。

そのうえで、退職代行には「次の夜勤に出られない」「希望する退職日」「有給休暇を使いたいか」「会社との交渉が必要か」を伝えます。無期雇用か有期雇用か分からない場合や、会社との交渉が必要な場合は、弁護士または労働組合が運営するサービスを選ぶと判断しやすくなります。